Syoujo no Sippai FILE

cace10

前編

少女プロファイル
氏 名 谷口 千尋 Taniguchi Chihiro
年 齢 15歳
学 年 中学3年
身 長 162cm
血液型 O型
トイレ頻度 近い
最後の失敗 14歳 場所・状況:
体育祭の閉会式で必死に我慢するも、限界がきて衆目の前で大失禁 詳細→
最後のおねしょ 10歳
性 格 真面目でしっかり者 運動神経抜群
一年前のおもらし以降やや内気になった
しかし徐々に明るさを取り戻しつつある





キーンコーンカーンコーン...

~某私立中学校3階女子トイレ~1時限目休み時間
バタバタッ...バタン!ガチャン...パタパタ...

「はっ、はっ...」

サッ...モソモソ......

シュィィィィィィィィィィ...

「はぁ...」
(間に合った……朝ちゃんと家でしてきたのに…またこんなギリギリになるなんて……)

谷口 千尋は安堵していた。
一年前、体育祭の閉会式のときに大勢の生徒たちや教師、保護者たちの目の前で大失態をやらかしてしまった千尋。
それ以来、千尋は少しの緊張やトイレに行けない状況を意識しだすと、あの時のトラウマから急激におしっこがしたくなり、長く我慢ができない体質になっていた。
こまめにトイレに行くように心がけてはいるものの、この一年で何度か下着を湿らせる程度のおチビリや、今のように慌ただしくトイレに駆け込むこともしばしばだった。
しかし、おもらしと言っていいほどの目立った失敗はあれ以来していない。

(…気をつけないと…またあの日みたいに……)

おもらし寸前の尿意から開放されたとき、いつも蘇るあの悪夢の記憶…

(もうあんな思いは二度としたくない…)

思い出すのはあの時の敗北感、おもらししてしまった自分への好奇の視線と恥ずかしさ、保健室での情けない着替え…そして休み明けのクラスメイトのよそよそしさと友達の明らかに気を遣っているような態度…すべてが鮮明に思い出せる。
幸い、いじめなどがない穏やかな校風の学校だったため、その後の千尋をからかう者はいなく、皆普通に千尋に接してくれていた。

しかしこの日、千尋にあの悪夢が再び襲いかかろうとしていた…





~3年6組教室~昼休み
ガヤガヤ...

「それでね!この前綾子がさ、」
「またその話~?佳代ってば最近綾子ちゃんの話ばっかりしてない?」
「だって綾子の彼ちょ~ウケるんだもんw」
「失礼だよ?綾子ちゃんにも彼氏さんにも」
「千尋も好きでしょ~?こういう話^^」
「別にあたしは…」
「てか千尋!あんたはどーなのよ?」
「えっ///な、なにが?...」
「顔真っ赤にしてとぼけんなってw和泉くんだよ!この前けっこうイイ感じだったじゃん?」
「どうもこうも...あたしなんかに興味ないよ...きっと和泉くん、好きな子だっているし...」
「えーどうして?千尋顔だって悪くないし、おんなじ陸上部なんだからさ!千尋みたいな子が好きなんじゃない?思い切って告ってみなよ!」
「無理だよ...それにあたし...去年みんなの前で...」
「千尋...」
「あんなみっともないおもらししちゃって...今さら告白なんて...」
「まだそれ引きずってんの?そりゃあ恥ずかしい出来事だったけどさ...誰だって失敗はするもんなんだし、和泉くんそんなこと気にする人じゃないと思うけど...もう忘れてんじゃない?あたしだって忘れてたしww」
「そんな他人事だと思って...あたし死ぬことだって考えたんだから...それに今だってまともに話せるの佳代ぐらいなんだし...」
「とにかくやってみなきゃわかんないじゃん?このままだと後悔するかもだよ?」
「...そう...かな...」
「そうだよ!なんだったらあたし協力するからさ!」
「あ、ありがとう...でももしその時はあたし一人でなんとかするよ...こういうのって友達に頼っちゃダメな気がするし...」
「はぁ...とことん真面目なヤツだね、あんたってw」
「さ、佳代?もう昼休み終わっちゃうよ!トイレ行ってこよう?」
「そうだね、午後の授業なんだっけかなー...」
「もう佳代ったら...今日は5限目も自習で...っていっけない!あたしも保健委員の仕事があるんだった!」
「ああ、5、6限って途中に女子の身体測定あるんだっけ?メンドくさいよねー。。保健委員は準備とかあるんでしょ?大丈夫なの?」
「ギリギリかもっ...ごめんね!あたし急いで行かなきゃ!」
「う、うん、わかった...^^;」
「佳代も体操服に着替えなきゃだよ!」
「わかってるって!それより急ぎな!」...


(千尋…トイレ大丈夫かな…心配しすぎか…あれからこまめに行くようにしてるみたいだし…さすがにあの時で懲りてるはずだろうから…ヤバかったら無理にでも行くよね…)

親友の心配をよそに、運命の歯車は静かに動き出す…





タッタッタッ...
(トイレ行ってないけど…寄ってたら遅れちゃうし…仕方ないか…最後に行ったのは昼休みの前の休み時間だし…まだ大丈夫だよね…きっと大丈夫…今は急がないと!…)

その真面目さから、あの悪夢を再び招き入れることになるだろう事を、千尋は不安を抱えつつも頭から振り払い、最悪のことは考えないようにしていた。
その不安が現実のものになろうと、歯車が音を立てて動き出したのは、千尋が保健委員として保健室に集合して準備を滞り無く済ませ、クラス順に身体測定が始まろうとしていた時だった。

「じゃあ谷口さんは身長計測をお願いね。生徒の足の位置と背筋に気をつけてコレをゆっくり頭のてっぺんに当てて正確にね。谷口さんは去年も少しやってるから大体は大丈夫よね?」
「はい!わかりました!大丈夫です!」
「鈴木さんは体重計を...」...

(けっこう重要な仕事だ…しっかりやらなきゃ…)

この私立中学校での身体測定は保健室、体育館でそれぞれ行われ、保健室では1年生、体育館では2、3年生の測定が行われる。この日の項目は体重、身長、胸囲、頭囲を順に計測することになっている。
混雑やトラブルを避けるため、男子の計測は午前中に、女子は午後の授業すべての5、6限を使って計測となっている。各保健委員を除く生徒たちは身体測定中は自分たちのクラスの順番が回ってくるまで各教室で自習となっている。
3年生は基本的に1、2年生がすべて終わってから測定が行われるため、1、2年生の身体測定が行われている間、千尋たち3年生の保健委員は各計測の仕事を分担して行うことになっている。
同じように3年生の計測が行われるときは、2年生の保健委員が代わりとして手伝いに入る事になっている。

(あ…少ししたくなってきたかも…ダメダメ考えちゃ…これからしばらく抜けれないんだから…したくないしたくない…仕事をこなすんだ!…)

程よい緊張と抜けられない状況を無意識に悟ったからか、千尋はほんの少し、あるかないかもわからないような尿意を感じたが、気のせいだと自分に言い聞かせ、持ち前の精神力と真面目すぎるその集中力でその意識を押し込めた。





~1階保健室~5時限目1年1組女子測定
ガヤガヤ...

「156.3cm...っと...次の人、」
「お、お願いします」
「はい、じゃあこの枠に足を合わせて背筋を伸ばして...アゴもうちょっと引いて...はい、そのまま...」

千尋は努めて冷静に保健委員の仕事をこなしていた。
千尋の仕事は体重測定が終わった女子生徒から専用の記録カードを受け取り、身長を計測、そしてその記録カードの身長の欄に計測したその生徒の身長を正確に記入してから、隣の胸囲、頭囲担当の保健医の先生に記録カードを渡し、身長計測の済んだ生徒を隣に誘導するというものだった。





5時限目1年2組女子測定
ガヤガヤ...

「そのままね......166.7」
「うっそ!また伸びた!」
「陽子伸びすぎだってw」

「はい、じゃあ隣に行ってください。。次の人、」
(ふう…1年生の女子っておしゃべりな子多いな…それにしても派手な下着…ほんとにこの子1年生?…)

先ほど微かに感じた尿意も忘れ、黙々と仕事をこなす千尋。
時には体操着のシャツ一枚に下着だけとなった女子生徒のショーツの柄やその派手さに驚きを感じつつも、何事も無く身体測定は順調に進んでいた。

しかし、千尋も予想だにしない事態が起こったのはそれから30分ほど進んだ1年4組女子の測定の時だった。





5時限目1年4組女子測定
ガヤガヤ...

「...次の人、」
(あれ?…あの子…)

千尋は順番待ちをしているある女子生徒の様子のおかしさにふと気づき、自身の鼓動が速くなるのを感じた。

(もしかして…トイレ我慢してるんじゃ…)

一瞬だがその女子生徒の手が自らの股間に伸び、モゾモゾと動いていたのが見えたのだ。
それが意味することを千尋はよく知っている。
その女子生徒の挙動は明らかなそれではなかったものの、この時の千尋にはすぐにピンと来るものがあった。
その女子生徒は可愛らしいおさげの子で、5人がけの椅子の順番で5番目にいたが、列が進んだため4番目にずれて新たな女子生徒が5番目に座ったところだった。
4番目に進んだその女子生徒は、足を小刻みにモジモジと震わせ、両手は膝の上に置かれ、時折だが右手が股間に行き、すぐに元に膝上に戻る。
最早じっとしているのがやっとのように千尋には思えた。

(あの子…大丈夫かな…)

「あの...先輩?」
「え?ああ!ごめんなさい!ぼーっとしちゃって...えっと、この枠に足を合わせて...」
(いけないいけない…仕事に集中しなきゃ…でも…)

あの女子生徒が気になって仕方ない千尋。
もしあの女子生徒がトイレを我慢しているにしても、今の千尋には何もしてあげる事ができない。何をしていいかもわからない。
しかし気になるのだ。と同時に千尋の膀胱にも着々と溜まっていたおしっこが千尋へ信号を送り、主張をし始めた。

「...はい、じゃあ隣に行ってください。。次の人」
(やばい…変なこと意識したからあたしまで……あ、あの子は…)

3番目に進んだあのおさげの女子生徒は相変わらずもどかしげにモジモジしていた。
進行状況が気になるのか、落ち着きなく列の残りの人数と進行具合を何度も目を泳がせて確認しているようだ。

「...154.1...」
(ダメだ…集中しなきゃ…あたしは3年生なんだから…)

そしておさげの女子生徒が椅子の1番目に来た時に、更に様子に変化が見られた。
ついにお尻まで小刻みだが揺れだしていたのだ。
もう我慢の限界が来ているのかもしれない。
前押さえの頻度も忙しなくなり、歯もどことなく食いしばっているように見える。
千尋が見るに、完全におしっこを我慢する女の子の仕草だった。

(やっぱり…あの子トイレ我慢してる…周りの人は気づかないの?…)

無情にもこの事実に気づいているのは千尋ただ一人だけだった。
他の生徒は友達同士で楽しげに雑談していたり、自分の記録カードをじっと見つめていたりして、一人の女子生徒の些細な様子の変化など気づくものはいなかった。
しかし千尋にだけは解るのだ。それはこの恥ずかしい動きの経験者だからか、はたまたこれが所謂第六感というやつなのだろうか。
千尋は脳裏の片隅で無意識にそんな事を考えていた。

そしてついに事件は起きる。
ようやくあのおさげの女子生徒の番が巡ってきたのだ。

「次の人!」

彼女にとっての最初の関門は体重計測だ。
体重計担当の千尋と同じく3年女子保健委員の鈴木の呼びかけでゆっくり立ち上がったおさげの女子生徒はフラフラと覚束ない足取りで体重計の所までやってきて記録カードを鈴木へ手渡したみたいだ。

(この子…やっちゃわなきゃいいけど…まさか…ね…)

それは自分への戒めでもあるかのように心のなかで呟く千尋。
やはり右手が何度も股間の周りを彷徨っている。

「はい、じゃこの枠の中に立って...」
「...はぃ」
「乗ったらなるべく動かないで、じっとしててください。。」
「...はぃ」

「じゃぁこの枠に足を合わせて...アゴをちょっと引いて...」
(じっとしてるの、キツイだろうなぁ…あ!やっぱりあそこ押えてる。。鈴木さん気づかないのかな…もうちょっとだから!頑張れ!…)

震えたような小さい声で"はい"とだけ呟くおさげの女子生徒。
じっとしているのがよほど辛いのであろう。鈴木が体重計の目盛を真剣に見ている隙に、堪えていた右手がまた大事な部分に伸びる。それは時間にして約3秒弱。
しかしこれまでで一番長く押さえていたのではないだろうか。
自分の仕事の傍ら、思わず心のなかで応援してしまう千尋。まるであの日の自分を応援するかのように…

「32.9...」

(いいなぁ…小柄な子は…って、あれっておしっこの分も含まれてるんじゃ…)

冷静にそんなことを分析をしていると、

「はい、谷口さん」
「あ、はい。。」

鈴木からこの女子生徒の記録カードを受け取る千尋。
おさげの女子生徒が千尋の前まで来ると、小さな声で"お願いします"と囁いた。

(小島 明日香ちゃんか…ほんとに小柄で可愛い子…)

渡された記録カードの名前を確認するとやっと近くで顔を見れた。
なかなかに可愛らしく綺麗な肌と顔をした女の子だった。前髪は横に流しピンで止めているのが中学生らしく初々しいが、どことなく未だ小学生のようなあどけない幼さも残っている。
心なしか涙目になっているように見えたり、身体が落ち着きなく揺れているのは、やはりこの子がおしっこを我慢しているからなのだろう。そんなことを考えながら…

「はい、じゃあこの枠に足を合わせて、背筋を伸ばして...はい、じゃあ計測します...」
ゆっくり器具を頭に近づけながら千尋は女子生徒の観察を続けた。

(あ…この子…足が震えてる…早く終わらせてあげないと…)

小島 明日香という名の、おそらくはおしっこを我慢しているであろう1年生の女子生徒の右足は、計測のため背筋を伸ばしたことにより、ガクガクと小刻みに震えだしていた。それと同時に先程までやや前かがみだっため、シャツに隠れてしまい確認できなかったこの女子生徒の1年生らしく可愛らしい白のショーツが露わになっていた。

「...139.3...え?」
(この子!もう漏れちゃってる!?)


千尋が身長を読み上げた瞬間、女子生徒の息遣いが不規則に荒くなり、体が強張ったように思えた。隙かさずふと股の部分を見ると2本の液体の筋が、已然として震え続けるこの女子生徒の綺麗な肌の足を伝っていく瞬間だった。
白のショーツのクロッチ部分も徐々に色を変えていき、その範囲も広がっている。

「!?...あの...小島さん?...」
(どうしよう…どうすればいいの?…)

あまりの出来事に一人パニックに陥る千尋。
しかしこの少女の失禁はどんどん拡大している。
千尋が一人あたふたしている間に2本だった液体の筋が3本、5本と増え続け…
少女の足の震えが一瞬、ほんの僅かに一瞬ピタッと止まったかに思えた。
その刹那…

「ぁぁっ...」

女子生徒の虫の鳴き声のように消え入りそうな声とともに、ついに真の失禁が始まった。



ぷじょゎあぁぁああぁぁぁぁああぁぁぁ!...ビチャビチャビチャっ!...


「!?...え?...ちょっ...」
(まさか…本当に…!?…)

【決壊】まさにその表現がふさわしい光景だった。
ジャバジャバと蛇口を最大に捻ったようなおしっこという名の恥水の激流。
滝の如きおしっこの流れはあっという間に身長計測台から保健室の地面に池のように広がっていった。
この恥水の根源である女子生徒の少女は力なく項垂れ、肩を震わせていた。
綺麗な肌の顔を真赤に染め上げ、一言も発さずに己の作り上げていく恥ずかしい水溜まりを見続けている。
この中学1年生の哀れな少女にそれ以外為す術はないようだった。

ザワザワ...

ようやく起こった異変に保健室にいる皆が気づき始める。

「え!おもらし?」
「うそうそ?ホントだ...」
「あれって...小島さん?だよね...」
「かわいそう...ずっとガマンしてたのかな...」

「中でおもらしだって!」
「えー誰ー?!」
「どこどこ?...こっからじゃ見えないよ...」
「え?なになに?なにがあったの?」

ガヤガヤ...

少女の"おもらし"という事実は瞬く間に保健室、更には順番待ちをしている外の女子生徒たちにも広まっていった。



ジュゥゥゥゥウゥゥゥゥ...ジュッ...ジゥゥゥゥゥ...

そして少女の失禁は終わる気配がなく、まだ続いていた...
歯切れ悪く、不規則なリズムでショーツの中に渦巻く、限界まで我慢してたであろうおしっこの本流は、ジュゥゥゥという恥ずかしい音を響かせ、滴、或いは足を伝う河になって重力に従い落ちていく。

パシャパシャパシャ...

「......」
(まだ出てる…この子…どれだけ我慢してたの?…すごい量……あ……あたしの時もこんな感じに見えてたのかな…これは…けっこうキツいな…)

永い、永い失禁というおしっこのダムの崩壊。そのおしっこの量はダムの大きさを物語る。
この華奢で小柄な少女の、一体どこにそんなに溜め込めるのかと思うほどの量のおしっこ。
千尋はどこか自分と重ねながら、この小島 明日香という名の哀れな失敗をしてしまった少女を見ていて複雑な気分になった。
かつて自分がそうだったように、今度は自分が好奇の目をこの1年生の女子生徒に向けている。それと同時に自分の過去の失敗を思い出し、胸が熱くなる。


...ポタッ...ポタッ...ピシャッ...


永遠に思える少女の失禁はようやく終わりを迎えたようだった…かに思えたが…


シュゥゥゥゥ...ピシャッ...ピチャピチャ...シュッ..シゥゥゥ...


まだ終わってはいなかった。最後の一絞りまで出し尽くすかのように呆然と立ったまま失禁し続ける哀れな少女、小島 明日香。
彼女の周りにはすでに半径1mはあろう巨大な水溜りが出来上がっていた。
この少女の体の大きさを考えれば膀胱の許容量の限界を超えてなお我慢していたのだろう。

本当の終わりを迎えた合図なのか、少女は力なくうずくまり、シクシクと静かに鳴き出した。
大げさかもしれないが失禁が始まってから体感時間的に3分は経過したのではないだろうか。

「小島さん...トイレ...行ってこよう?...みんなは一旦保健室の外に出て!...谷口さん...悪いんだけどここの片付け、お願いできる?...鈴木さんも...あと手の空いてる人はこの3年生の二人の手伝いをしてあげて!...じゃあ谷口さん、鈴木さん、しばらくここお願いね...」

「は、はい...わかりました!...」

保健医である中年女性の先生は後のことを千尋達に任せると、この失禁少女の肩を優しく抱き上げてバスタオルのような大きい布で少女の腰回りを覆うと、泣きすくむ少女を包み込むように優しく、ゆっくりと保健室を後にした。
事件を目の当たりにした他の女子生徒たちも何も言わず、ただの好機の目線、或いは哀れみの視線でおもらしをした少女をただただ見送るだけだった。


ブルッ...
(あ…あんなの見ちゃったからあたしまでおしっこが…ダメよ…今はダメ…先輩として先生にこの場を任されたんだから…早くここを掃除しないと…今年の1年生は人数が多いからあと5組も控えてるんだから…早く計測が再開できるように…早く…)

「じゃ、じゃぁとりあえずこのオシッ...じゃなくて、ここを拭かなきゃダメだから手伝ってくれる人は掃除用のロッカーからバケツと雑巾と水拭き用のモップを持ってきてください!それから...」

後輩の手前、頼れる先輩でありたいと願う千尋。
その真面目すぎる彼女の正義感は、自身の尿意を麻痺させるのには十分だった。

「先輩!持って来ました...これで大丈夫ですか?」
「あ、ありがとう。。じゃあ私はこっちを拭くから、嫌だと思うけどそっちの濡れてる部分を拭いてください...鈴木さんはこのモップでこの一番大きな水溜りをお願いします...」
「わかったわ。。」
「わかりました...」

(うぅ…やっぱりおしっこなんだなぁ…おしっこ臭い…あぁ…あたしもどんどんしたくなってきちゃう…無心でやらなきゃ…)

床にぶち撒けられたあの少女のおしっこを拭く千尋。
そこからはほのかに鼻を突く、アンモニア臭を含んだおしっこの匂い。
その匂いを嗅ぐたびに、嫌でも無意識に尿意は高まってくる。


(あー…けっこうしたくなってきちゃったかも…でも今この場を離れるわけには…ダメダメ!…このくらい…あの時に比べれば大したことない…ぜんぜん平気よ…今はこの場をなんとかしないと!…)

自身にそう言い聞かせ、必死に"他人のおもらし"の処理をする千尋。
そして運命の歯車は徐々に廻るスピードを上げ、加速しだす…





「谷口さん、ご苦労様。こっちはなんとかなったから早いとこ続きやっちゃわないとね...」
「あ、はい...そうですね...」
「それで悪いんだけど、時間が押してるの...休憩時間とってる時間ないんだけど...あなたはトイレとかは大丈夫?...よね?鈴木さんも、休憩とれないけど、大丈夫?...」
「あたしは大丈夫ですよ。。」
「え?...あ、はい...私も、大丈夫です...」
「よかった!さすがは3年生!しっかりしてるわね。さ、早いとこ始めちゃいましょ!」
「は、はい!...」

(あたしのバカバカバカぁ!!今のチャンスだったのに…でも…もう遅いよね…それに…鈴木さん行かないのにあたしだけ行っちゃうのもなんだか…気が引けるし…はぁ…我慢するしかないか…大丈夫だよね…?…まだ余裕はあるし…きっと大丈夫…)

勢い余って見栄を張ってしまった千尋。
実際のところ、この時点でそれほど切羽詰まるほどの切迫した尿意ではなかったものの、千尋は最後の助け舟を自ら棒に振ってしまった。
そのことを千尋が後悔し始めるのはそれから15分ほどたった、1年5組女子の計測時だった。





6時限目1年5組女子測定
ガヤガヤ...

モジモジ...スリスリ...
「...144.9...」
(あぁぁ…けっこうヤバイかも…おしっこが…どんどんしたくなってきちゃってる…このままじゃ…あたし…)

最悪の結末が頭をよぎる。

「つ、次の人...」
(それだけは絶対ダメ!…もうおもらしなんか…絶対にしたくない!……でも…やっぱりあの時トイレ行っとけば…ダメダメ弱気になっちゃ!…絶対我慢できる…だからもうちょっとだけ…)

言いようのない不安が千尋を襲う。
それと同時にあの失禁してしまった1年生の少女のことが、過去の自分の失敗の記憶が、千尋の不安と焦りを掻き立てる。
しかしここまで来たら我慢する他ない。
今更トイレに行きたいなどと、先生や同級生の保健委員である鈴木に言う訳にはいかない。流石3年生、と言ってくれた期待を裏切りたくはない。
千尋の真面目すぎる性格では、最早トイレに行くために仕事を放棄するという選択肢はありえないのだ。
もちろんすべてを諦めておもらしをするという選択肢もあるはずがない。あるのは後数十分我慢して仕事を終えてからなんの気兼ねもなくトイレに行くことだけなのだ。
自分の仕事が終われば後は自分の測定の番だ。そうなれば一旦教室へ戻る時間や体育館へ移動する時間が与えられる。
それまで何としてでも我慢するしかない。
しかしそんな決意とは裏腹に、トイレに行きたいと意識すればするほど、悪魔の水と、この一年で変わってしまった体質は着実に千尋から余裕を奪ってゆく。





6時限目1年7組女子測定
ガヤガヤ...

モジモジ...スリスリ...ギュッ...

「...次の人...」
(あぁ…手が勝手にお股押さえちゃう…おしっこしたい…おしっこしたいよぉ…><)

千尋の尿意は最早、持ち前の集中力では誤魔化しの効かないレベルまで高まっていた。

モジモジ...
「こ、この枠に足を合わせて...背筋を伸ばして...」
(トイレ行きたい…おしっこ行きたいよぉ…でももうちょっと…もうちょっとだから…だから我慢しなくちゃ…)

最悪の結末が頭にちらつくが振り払い、を繰り返す千尋。
もうあんな結末はあってはならない。
千尋にとっては考えることも恐ろしいことなのだ。
するとそこへ、千尋たちの代わりを務める2年生の保健委員が当初の予定よりずいぶん遅れてやってきた。

「遅くなってすいません!3年生の計測もうけっこう進んでます...谷口さんと鈴木さんを呼んでくるようにと...」
「やっと来たわね...ずいぶん遅かったけど、何かあったの?」
「いえ、その...トイレに行ってて...すいません...」
「あたなも?」
「はい...すいません...かなり混んでて...でもずっと我慢してたので...」
「わかったわ、でも今度からはトイレは先に済ませておかなきゃダメよ?特に今日みたいな日はあなた達は役員なんだから。この3年生の二人は休憩時間を削ってまでやってたんだから、あなたたちもこの先輩たちを見習うように。。いいわね?」
「「はい...」」
「さ、じゃあ早速仕事に入ってちょうだい!谷口さん、鈴木さんはこの子達に簡単に仕事を説明して体育館へ急いでちょうだい!特に谷口さんは6組じゃなかった?予定ではもう5組が終わりそうな時間だから急いでね!」

「わ...わかりました!えっとじゃぁこの枠に足を合わせて背筋を...」
(やった…やっとトイレに行ける…急げばトイレに行く時間くらいあるはず!…)

ようやくトイレに行けると安堵したした千尋だったが、運命の悪戯はそう上手くは事を運ばせてくれない。
それはこの15歳の少女に背負わされた宿命なのかもしれない。





タッタッタッ...
「はっ、はっ...」
(あぁぁ…走ったらお腹に…でも急がないと…体育館前のトイレ…混んでなきゃいけど…)

後編へつづく


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